
飲食店に転職を考えているけど、
飲食店はブラックって聞くから心配だなあ。
求人情報に掲載されている好条件を見たり、学生時代の楽しかったアルバイトの思い出から、飲食店に就職を考えている方がいらっしゃると思います。
そこでやはり気になるのは、飲食店の労働環境です。
飲食業界はブラックな環境と言われることが多いので気になりますね。
私は、世間にブラック企業と言われていた大手飲食チェーン店で3年間働いていました。
(その後も飲食店の仕事を続けています。)
その会社での体験を包み隠さずお話しします。
この記事では、
・どういった人が退職して、どういった人が仕事を続けるのか
こういった情報を分かりやすくお伝えするので、飲食店に就職を考えている人に是非読んでください。
この記事を読むことで、リアルな飲食店の労働環境を知り、自分に向いている仕事かどうかが分かるようになります。
もちろん、私の経験がすべての飲食店が同じではありませんが、必ず参考になると思います。
目次
1.飲食店従業員の労働時間と休日日数
実際に私が働いていた労働時間数と、休日日数です。
日/12時間~15時間 ときどき8時間
休日日数 ・年間休日日数 約80日
・週1休みと週2休みが大体交互。
・年末年始等の繁忙期は休めない週がある。
年間休日日数80日で、月の労働時間が230時間以上の理由
シフトは店長の自分がつくっていました。
休む日を自分で選べるのはメリットです。
これだけ聞くと、休みの日数も労働時間も自由に選べるような気がするのではないでしょうか?
しかしシフトをつくる中で、破ってはいけない会社の掟があります。
この会社の掟を破ると、上司に怒られたり、減給のペナルティがあります。
この掟を守るために、労働時間や働く日数はどうしても長くなります。
その掟は、
・お店の人件費は、定められた数値を超えてはいけない
・週に3回以上休んではいけない
・人手不足だと自分が働かないといけない
それぞれ分かりやすく解説していきます。
・会社で定められたMAXの労働時間を超えてはいけない
ひと月で、社員が働ける時間は、あらかじめ会社に決められています。
その時間を超えたタイムカードを提出すると、上司に怒られたり、減給等のペナルティがあります。
その時間を超えて働く場合は、タイムカードをつけずに働くことになります。
この時間がいわゆるサービス残業です。
この会社の掟を守るため、残念ながらサービス残業をしている従業員は多くいました。
サービス残業にならないように、出来る限りシフトを組むのですが、人手不足や繁忙期になるとどうしても難しく、やむおえずサービス残業をすることになります。
・お店の人件費は、定められた数値を超えてはいけない

シフトを自由につくれるのは嬉しいけど、
人件費の管理が難しいなあ。
自分でシフトをつくるので、働く時間も休みも割と自由につくれます。
しかし、自分を含む社員とアルバイトの合計の人件費をここまでしか使ってはいけないという基準があります。
それを超えると、やはり上司に怒られたり、減給等のペナルティあります。
決められた人件費の中でシフトをつくるので、「今月は前半に人件費を使い過ぎたから、後半はサービス残業して、人件費を下げるしかないな~」なんてこともあります。
・週に3回以上休んではいけない
怪我や病気以外で、週に3回以上休みを取る人は、3年間働いて一度も見ませんでした。
ルールで決まっていたわけではありませんが、社内の雰囲気がそうなっていました。
・人手不足だと自分が働かないといけない
人手不足だからといって、お店の営業をしないわけにはいきません。
自分の休み<お店の営業なので人手不足だと自分の労働時間が多くても休みがなくても、働かざるおえません。
アルバイトとのコミュニケーションや教育が苦手な店長だと、アルバイトがすぐ辞めていくので、人手不足になります。
自分が休んだり、長時間労働を避けるためには、どれだけ戦力のアルバイトをつくれるかが勝負になります。
2.飲食店はサービス残業(時間外労働)があるの?

上にも書きましたが、結論から言うと、サービス残業は存在しました。
大手飲食チェーン店だったので、表面上は厳しくサービス残業は禁止されています。しかし、
・人手不足
・突発的に仕事が増えた
こういったときは、こっそりとサービス残業をするしかありませんでした。
そしてつらいのが、このサービス残業がバレると、会社から減給等の処分があることでした。
働きたくてサービス残業しているわけではないのに、サービス残業がバレるとペナルティがある。これは本当につらいですね…
3.働いた飲食チェーン店の離職率と退職理由
・離職率
会社の離職率は高かったです。
自分が働いていた大手飲食チェーン店で、10人くらい知っていた同期はすべて退職し、最後の一人が自分でした。
自分は3年間続けましたが、会社の中では長い方です。
ただし自分が知っている幹部や先輩たちは、今でも続けているという話を聞くので、すべての人が退職しているわけではありません。
・退職理由
就職後、数か月や数週間以内に退職する人の多くは、労働時間の長さが理由でした。
慣れるまで、230時間以上の労働はきついからです。(慣れても、まあまあきついです。)
数か月働きだした後は、その他の退職理由が増えます。
退職理由は、
・アルバイトとの人間関係
・自分が起こす不祥事(パワハラ、セクハラ、横領)
・成績へのプレッシャー
全国的に飲食店は、不祥事での退職が他の業種に比べると高い傾向にあります。
私が勤めた会社は、労働時間が長かったり、サービス残業があったりブラックな面はありましたが、
給料は全国的な平均年収よりも良かったので、賃金面での退職理由は聞きませんでした。
逆に退職しないのはどんな人?
世間にブラック企業と言われる飲食チェーン店で、退職せずに続けていくのはこんな人たちでした。
・体育会系気質で、根性のある人
・辞めたいけど、他に行くところがない人
・いい意味で鈍感で、打たれ強い人
4.パワハラやセクハラ等の不祥事問題

前の店長も、その前の店長も、不祥事起こして辞めていってしまったよ~
飲食店では、実際にこんなことがあったりします。
少し衝撃的ですね…
・飲食店ではどんな不祥事があったの?
パワハラやセクハラ、横領等の事件が多くありました。
他、業種に比べると、圧倒的に多かったです。
・不祥事が多い理由
①社員のモラルの低さ
理由の一つは、社員のモラルの低さです。
飲食店は、人手不足な業界なので、人材採用で良さそうな人を厳選することが難しくなっています。
そのため多少問題がありそうな人でも採用してしまうということがあります。
また、従業員教育にあまり時間を使えず、ハラスメント防止の教育が出来ていないのも問題点です。
①閉鎖的な環境
飲食店はときどき会議があるものの、基本的にはほとんどの仕事が店舗で完結します。
そのため、直属の上司以外の社員と接する機会が少なくなります。
そういった閉鎖的な環境から、アルバイトへのパワハラや売上金の横領等が発覚しづらく、不祥事が増えます。
③意外に店長はモテるのが原因?
これは意外かもしれませんが、飲食店の店長はアルバイトからモテます。
(ほんとです。私も5割増しくらいでモテました。笑)
もしかしたら学生アルバイトからしたら、店長が大人に見えて格好いいのかもしれません。
もしくは、店長はお店のリーダー的存在になるので、頼もしく見えるのかもしれません。
私の知る限りでも、アルバイトと交際している正社員は何人もいました。
そういった環境なので、勘違いした社員がアルバイトにセクハラ…なんてこともありました。
5.歳をとっても働けるの?

飲食店に就職を考えているけど、歳を取ると働けなくなるんじゃないかな?
飲食店への就職を考えている人は、高齢になっても飲食業を続けれるかどうかというのは、気になるポイントだと思います。
結論から言うと、可能ですが、そういった人の割合はかなり低いです。
現場の一線で働き続けるのは労働時間が長いので、体力的に厳しいという問題があります。
しかし、実際に50代や60代で現場で働いている人もいます。
理想は高齢になる前に、マネージャー等の管理職になることですが、飲食店はそういったポジションが他の業種に比べると少ないです。実際なれるのは一握りの人です。
6.飲食店で働くメリット

ここまでは、飲食店の良くない部分を書いてきましたが、飲食店で働くメリットもあります。
・店長になると割と自由
飲食店は、基本的に店長がシフトをつくります。
つまり自分の働く時間を自分で決めることができます。
また店長になれば、少なくともその店ではリーダーになるので、アルバイトの教育方針や、タイムスケジュール等、他の仕事よりも自由に決めれることが多いです。
特に、結果を出していれば、お店のことは大体任せてくれます。
・頑張った分が成果に出る。
飲食店の売り上げは、近くにライバル店が出店したときなど、自分の力ではどうしようもないときがあります。
しかし、どんな状況でも人件費や原価(食材費)等、実力や努力で管理できる部分が必ずあります。
売り上げに関しても、長い目で見れば、努力していたり、実力のある人は必ず結果を出します。
・人間関係が良ければ、楽しく働ける。
飲食店の仕事はチームワークです。
忙しいピークを回せたり、売り上げが上がったときの達成感を共有できます。
また、自分の部下のアルバイトの成長というのも、とても嬉しいものです。
・運動不足にならない。
運動不足になりません。
家に帰ってから健康のために、ジョギングをしたりする必要がなくなります。
しかし、食事の時間や寝る時間がズレることが多く、不摂生な仕事なので、健康管理は大切です。
・給料がいい飲食店もある。
飲食店の給料は低いと言われますが、自分が働いていた飲食店は世間の平均年収を超えていました。
会社によって大きく異なりますが、高収入が可能な飲食店は存在します。
高収入を狙える飲食店はその分、結果に厳しい会社が多いです。
結果を出せなければ、やはり多くの給料はもらえません。
7.こんな人には飲食店で働くことをオススメしたい
ここまで、実際に私が働いた飲食チェーン店の労働環境を話したので、飲食店で働くメリットとデメリットが分かってきたと思います。
もし、飲食店で働きたいと思う人がいれば、こんな人にオススメです。
・学歴や職歴、関係なしに、実力や努力で勝負したい人
・飲食店でのアルバイトが楽しかった人
・体を動かすのが好きな人
もし、飲食店で働く場合は、くれぐれも企業選びは慎重に行ってください。
いい会社と巡り会えたら、飲食店の仕事は悪い仕事ではありません。
コメント
[…] 飲食店はブラック?ブラック企業と呼ばれるチェーン店で働いた話 30歳でニートだった私が、ニート期間の苦悩や思い出を語る。 […]