飲食店で必ずお客様に納得してもらえるクレーム対応(処理)を解説 

従業員
従業員

クレーム対応って難しいなぁ。誰か代わりにやってくれたらいいのに…

こんな風に思っている飲食店の方、多いのではないでしょうか?

クレームはお怒りのお客様の相手をするので、非常に神経を使いますね。

ついつい焦ってしまい、火に油を注ぐ発言をしてしまったりもします。

しかし、クレーム対応はやり方さえ分かっていれば、決して恐いものではありません。

また、クレームによるチャンスもあります。

上手にクレーム対応ができたら、

・怒っていたお客様がお店のファンになる。

・従業員から、あなたの評価が上がる。

こんなことが起こるからです。
 
 この記事では、クレーム対応が苦手だったり、全く未経験の人でも、必ずお客様に納得してもらえるクレーム対応をご紹介します。 
 
 この記事は、
・クレーム対応をどうやったらいいか分からない。

・自分がクレーム対応をしたら、いつも怒らせてします。

・クレーム対応に苦手意識があり、クレームが恐い
 是非、こういった方たちに読んでいただきたいです。

 有名飲食店で働く接客のプロが、徹底的にクレーム対応を解説します。

なぜクレームは発生するのか?

1.それまでの営業内容や接客が悪いから

 
 クレームの多くは、ひとつの出来事が理由で発生するわけではありません。

 それまでの営業内容や接客に、不満や不信感を持っているときにお客様はお怒りになります。

 

従業員が注文を聞き間違え、料理をずいぶんと待たされたお客様がいるとします。

同じミスをされても、A店では怒ったがB店ではこころよく許したということが起きるのです。

この理由は簡単です。

 

A店の接客が悪く、不満を感じているときに料理を待たされたので我慢の限界が来たということです。

 
どの飲食店でも、ミスはどうしても起こります。大事なのは、総合的なサービス内容です。

・初めの対応が悪いから

お客様
お客様

ドリンクを早く持って来て欲しいって伝えただけなのに、

従業員のあの態度は何なのよ~!!

 ただ要望を伝えたかっただけなのに、従業員の対応や態度に不満を感じて、クレームにつながる場合があります。

 本来クレームにならないクレームを引き起こしているということです。

・お客様が不安に思うから

・料理に火が通っていなかった気がするけど、大丈夫かな?

・店内が汚くて、衛生管理がちゃんとされているのか心配だ

・自身なさそうにお会計していたけど、本当に合っているの?

 こういったお客様の不安はクレームにつながります。

クレーム対応で重要なポイント

クレーム対応で最も大事なのは聴くこと!

 
 クレーム対応で最も重要なのは、とにかく聴くことです

 大事なことなので、もう一度言います。クレーム対応で最も重要なのは「とにかく聴く」ことです

 これが分かっていれば、クレーム対応の大部分を理解できているといっても過言ではありません。

 自分が怒っているときを思い出してみてください。とにかく文句を言いたくありませんか?そして文句を言い切ったら、少しスッキリしませんか?

 クレームを言いたい人も同じです。意見が欲しいのではなく、聞いて欲しいのです。 

 だから、「聴いています!」っていうのを上手に伝える必要があります。

あいづちや、相手の発言を復唱することで、しっかり聴いていることが伝わります。

クレーム対応のときの姿勢も気を付けよう

 クレーム対応は腰が低い姿勢を心がけましょう。

 例えば、お客様が座っているときは、膝つき接客し、お客様より低い姿勢を取るといいでしょう。

 お互い立てっているときは、手を前で組み、失礼のない姿勢で話しましょう。

クレーム対応は心構えが大事

 クレームが起こるとどうしても、嫌な気持ちになります。

 場合によっては、「忙しいときに鬱陶しいな」とか、「そんなことでクレーム出さなくてもいいのに」と思ってしまいます。

 しかし、ここで大事なのは心を切り替えることです。 

 クレーム対応に入る前に、必ず心を切り替えましょう。

 そのときに思い込むだけでも構いません。「お客様に謝罪したい」、「お客様に申し訳ない事をしてしまった」という気持ちを持つようにしましょう。

思っていることは態度に出てしまいます。「早く終わらせたい」とか、「うっとうしい」という気持ちは禁物です。

実際のクレーム対応の流れ

1.クレーム対応はスピードが大事。

 
 クレーム対応はスピードが大事です。出来る限り早く駆け付けましょう。
 
 駆け付けた際は、まずお詫びから入ります。
 
「間違った料理を提供してしまったと聞いております。大変申し訳ございません。状況をお聞かせ頂けますでしょうか?」といった感じです。
 
 まだ何で怒っているか分からない場合は、「お待たせして申し訳ございません。」から入ります。

2.相手の話をしっかりと聴く。

 
 相手が話し始めたら、聴くことに徹します。

 あいづちや復唱を使い、自分がちゃんと聴いていることを、しっかり伝えましょう。

 無理にお詫びの言葉を挟むひつようはありません。

 相手が喋り終えるまで、相手の話をさえぎらず、とにかく聴きましょう。

このときはまだ、こちらの言い分を主張してはいけません。
相手の不満をすべて話してもらい、心を落ち着かせてもらうことだけ、考えましょう。

3.相手が話し終えたら、謝ろう。

 相手が不満を出し切った後は、謝罪しましょう。

 ここでのテクニックは、相手を不快にさせてしまった感情に対して謝罪することです。

× 料理をお待たせしてしまい、大変申し訳ございません。

○ 料理をお待たせしてしまったことで、不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。

 このとき言い訳は禁物です。ただの状況説明でも慎重に話さなければ、言い訳に聞こえてしまうことがあります。気を付けましょう。

4.状況説明は、相手に求められてからか、相手が落ち着いた後

 こちらにも伝えたい言い分はありますが、状況説明を急ぐのはよくありません。

 相手の頭に血が上っていると、言い訳に聞こえてしまうことがあるからです。

 状況説明をするのは、相手に求められたときか、相手が落ち着いた後です。

 言い訳と受け取られないように、謝罪の言葉を交えながら、お伝えしましょう。

 状況説明した後は、もう一度お詫びしましょう。

5.今後の対策を伝える。

  お客様の怒りが収まり、ある程度納得された後は、改めて、

・今回のようなことが起きてしまった反省点

・今後の対策

このことをお伝えしましょう。
  
 この部分を丁寧に説明することで、お客様は安心して次回の来店に繋がります。

6.最後にお礼を言いましょう

 
 お客様がお帰りの際はお見送りしましょう。

 クレーム対応の後すぐに帰られるお客様もいれば、お食事をされてから帰るお客様もいます。

 このどちらの場合でも、見送りに駆け付けることで、好印象になります。

 最後に必ず、クレームに対してお礼の言葉をお伝えしましょう。

 例 ・本日はご指摘いただきありがとうございます。

   ・本日は大変勉強になりました。ありがとうございます。

といった感じです。

 悪質なクレーマーを除き、クレームが言いたくて飲食店に来る人はいません。

 最後にお礼をお伝えすることで、相手は楽な気持になります。

 時には笑顔を見せてくれることもあります。

クレームは宝

 
 クレームは宝という言葉があります。

 上手にクレーム対応をして、ご理解頂けたら、根強いファンになる可能性があるからです

 お店で嫌なことがあっても、クレームを言わずに帰られるお客様もいます。

 こういったお客様は、何も言わない代わりに、もう2度と来てくれない場合が多いです。

 逆に、クレームを言ってくださるお客様には、再来店してもらえるチャンスがあるのです。

 クレームに苦手意識を持つ必要はありません。

 クレームを言ってくださってありがとうございます。という気持ちで挑みましょう。

飲食店でよくあるクレーム別の対処方法

1.異物混入

 
 飲食店で最も多い一つのクレームです。

 特に髪の毛の混入が多いです。
 
 異物混入は、どんなに注意していても、ゼロにならない難しさがあります。

対処方法
 この場合は商品の交換か、代金の返金で対応することになります。
 気分を害して、食欲を失っている場合もあるので、商品の交換なのか、返金なのか、お客様に選んでもらうことが理想です。
 商品交換の場合は、その料理がどれくらいの時間で提供できるのかお伝えし、最優先で調理に取り掛かりましょう。

2.料理の提供遅れ

 これも飲食店で多いクレームです。
 
 その日のアルバイトが急に欠勤したり、器具が壊れたり、予想がつかないほどの来店があったりと、「料理の提供遅れ」は様々な理由で起こります。

対処方法
 お待たせしていることのお詫びと、状況を丁寧にお伝えしましょう。
 お待たせしている料理の状況と、後どれくらいで提供できるか、お伝えしましょう。
 ここでは、確実にお持ちできる時間をお伝えしてください。
 その伝えた時間よりも、更に遅れてしまうと、2次クレームにつながります。

3.相手の服を汚してしまった。(汚損事故)

 居酒屋やレストランでよくあります。
 ドリンクやスープをこぼしてしまい、お客様の服を汚してしまうことがあります。

対処方法
 クリーニング代が発生するケースがあります。
 クリーニング代に関しては、会社のマニュアルに従うのが一番です。事前に上司に確認しておいてください。
 マニュアルがない場合、その場で現金をお渡しすることは望ましくありません。後々のトラブルの原因になりますし、余分にお金を払ってしまう可能性があります。
 自身でクリーニングに持っていっていただき、そのレシートに基づき、後日お支払いさせていただくのが理想です。

4.接客態度が悪い

 従業員の接客態度に対してのクレームも多くあります。

 他のクレームに比べ、電話でのクレームが多いです。

 その場では、指摘するのをためらったけど、後々やっぱり納得いかないと思ってたということです。

対処方法
 この場合は、自分がなぜ怒っているのかを伝えたいという気持ちが強いです。しっかり聴き取りし、相手に共感することが大事です。またお詫びは、問題のあった従業員に関してだけではなく、教育が出来ていなかったことについても謝りましょう。 

5.食後にお腹が痛くなった。

 食中毒に関しては、冷静な対応が必要です。

 本当にこちらに問題があったか分からないからです。
 
 安全な料理を提供していても、お客様の思い込みでクレームを受けることもあります。

対処方法 
 まずは相手の体調を気遣ってください。病院に行くことをオススメしましょう。安易に謝ったり、認めるのは危険です。相手が勘違いして、思い込んでいるだけの場合もあります。
 すぐに上司に相談しましょう。

6.お会計ミス

 怒っているというより、お金を返して欲しいだけというケースが多いです。

対処方法
 しっかりお詫びし、お金を返金しましょう。
 返金の際は、新しいレシートを用意しましょう。

7.お持ち帰りの入れ忘れ

 テイクアウトを始めるお店が増える中で、商品の入れ忘れのクレームも増えています。

対処方法
 可能であれば、商品をお届けするのが望ましいですが、人員等の問題で困難な場合もあります。現状、お届けすることがどうしても出来ないことをお伝えし、来店の際のご返金や、商品の再提供を提案してください。

モンスタークレーマーの対処方法

モンスタークレーマーとは

 明らかにクレームを言うことが目的で来店する人や、謝罪をしても必要以上の要求をしてくるクレーマーのことです。
 
 中には、金銭等の対価目当てのクレーマーもいます。

モンスタークレーマーの特徴

・クレーム内容が理不尽

・クレームの回数が異常に多い

・金銭等の対価を要求してくる

・大声で怒鳴る

こういった特徴を持っています。気を付けてください。

モンスタークレーマーの対処方法

 こちらに一定の非がある場合は、通常通りのクレーム対応で大丈夫です。

 しかし、それで収まらないようであれば、こちらも毅然とした態度で対応するべきです。

 金銭を要求されても、決して渡してはいけません。

・暴力の危険を感じる。

・大声で怒鳴りだして止まらない

・金銭を要求してくる

・お引き取りをお願いしても、立ち去らない
こういった場合は、すぐに警察を呼びましょう。
 
また、一人での対応は危険です。2人以上で対応しましょう。

 

 

 

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