飲食店の正社員は何歳まで働ける?高齢になったら飲食店で働かない方がいい理由

 飲食店は労働時間の長く、肉体労働のため、「いったい何歳まで飲食店で働けるのだろうか?」
 この疑問に長年、飲食店で勤めてきた私がお答えします。
 この記事では、下記の内容を詳しく解説します。

・飲食店で何歳まで働けるか?
・高齢になったら飲食店で働かない方がいい理由
・それでも高齢になって飲食店で働き続けたいと思う人へのアドバイス
 
わたし
わたし

 私は10年以上飲食店で働き、飲食店で働く多くの人たちを見てきました。また同時に多くの退職者を見ましたし、飲食店で働く大変さを知っています。皆様にリアルな現場の情報をお伝えしたいと思います。

何歳まで飲食店の正社員で働ける?

わたし
わたし

結論は60歳を過ぎても飲食店で正社員として働くことは可能です。

 私は大手飲食チェーン店で働いていましたが、社内には60歳を過ぎた店長がいました。
 そして、その他にも60歳を過ぎた正社員やマネージャーを何人か見てきました。
 つまり60歳を過ぎても、飲食店で働き続けることは可能です。

 しかし、だからと言って飲食店は決して高齢の人が多い職場ではないですし、歳を取って飲食店で働き続けることを私はオススメしません。
 上記の60歳を過ぎた店長も最終的には体を壊し、退職してしまいました。

わたし
わたし

ここからは高齢になったら飲食店で働くことを、私がオススメしない理由について解説します。

高齢になったら飲食店で働かない方がいい理由

理由1.飲食店は労働時間が長く体力的に限界がある

 私が働いた飲食店は1日に12時間以上働くことは珍しくありませんでした。
 私は2つの飲食店で正社員をしていましたが、下記がスタンダードな一日のスケジュールでした。

9時出勤  → 23時退勤 A店(食堂)
15時出勤→ 3時退勤  B店(居酒屋)
 どうでしょう?歳を取り体力が無くなっていく中で、このスケジュールは厳しいと思いませんか?
わたし
わたし

当時、20代の私でも毎日クタクタになり、帰って寝るだけの生活でした…

2.飲食店は連勤になってしまうことが多く、体力を回復出来ない。

一日の労働時間が長くても、休みの日に体力を回復すればなんとかなるんじゃない?

 こんな風に思う人もいると思います。
 しかし、飲食店は安定して休日を取ることが非常に難しい職業です。
 人手不足だと休みがないですし、せっかくの休みでも突発的なアルバイトの欠員が出たら、やはり出勤しなければなりません。

気が付けば20連勤…なんてことが飲食店では起こります。

3.飲食業は走り回ることの多い肉体労働

 仕事内容は体を動かし、ときにはお店を走り回るのでハードな仕事です。

わたし
わたし

 私は飲食店以外に現場で働く塗装やイベント会場の設置、体操インストラクターの仕事を経験しましたが、飲食店の仕事が一番ハードでした。

 もちろん働く飲食店や業態によっても仕事のハードさは変わります。
 しかし人事異動の多い飲食店で希望の店舗で働き続けれる保証がないのも事実です。

4.マネージャー以上の管理職の椅子が少ない

 

マネージャーのような管理職に出世して、現場の肉体労働から離れたらいいじゃないか

 ここまでの記事を読んで、こんな風に思う人もいると思います。
 しかし飲食業は他業種に比べ利益を出すのが難しい業種なので、そもそも店長より上の役職が少ないのが現実です。

 現場から離れ、管理職が出来る人間は、本当に一握りです。

5.歳を取ってからの給料が他職業に比べて低い

 2021年、飲食業の平均給料は317万円です。
 この平均給料は他職種に比べ、100万円近く低い給料です。
 しかし10代や20代前半から他職種に比べて給料が低いわけではありません。
 つまり歳を取るにつれ、他職業との給料に差が大きく開いてくるということです。

 年齢に応じて飲食業の給料が上がらないのには理由があります。
 ・マネージャー以上の管理職の椅子の数が少ない
 ・飲食店の利益率が低く、従業員に高い給料を支払うと利益がなくなってしまう。

6.学生アルバイトや若者フリーターとのコミュニケーションが難しくなってくる

 

わたし
わたし

 私は数店舗の居酒屋チェーン店で店長をしていましたが、一緒に働く仲間は10代、20代の若者たちでした。

 飲食店のアルバイト従業員の多くは学生や若者フリーターです。

 自分が10代、20代のときはいいのですが、歳が離れるにつれ、若者アルバイトとのコミュニケーションをとることが難しい作業になります。

わたし
わたし

 私の経験上、円滑に飲食店の運営をするためにアルバイトのコミュニケーションは不可欠で、年長者が苦戦する姿を見てきました。

 ここまでに記載した理由により、私は高齢になって飲食店で働くことをオススメしません。

 しかし、「それでも、どうしても飲食店で働き続けたい」という人もいると思います。

 ここからは、私が飲食店で働く中で感じた高齢になっても働きやすい飲食店と、身に着けておくスキルについて解説します。

高齢になって正社員を続けられる飲食店とは

わたし
わたし

 飲食店にはカフェや居酒屋、料亭等、色々なお店があります。
その中で歳を取って働きやすいお店は下記のようなお店です。

・労働時間が短いお店
・売り上げ規模が大きく、管理者が必要なお店
・専門的な調理をするお店(料亭など)
・高単価な料理を取り扱うお店(高級鉄板焼きや高級レストランなど)

 上記について、それぞれ解説します。

・労働時間が短いお店

 歳を取ると飲食店で働くのが難しくなる最大の理由は労働時間の長さです。
 つまりシンプルに労働時間が短い飲食店で働くことが得策です。

労働時間が短い店舗例
 ・17時オープン、22時閉店の居酒屋
 ・ランチ営業のみのお店
 こういったお店は、仕込みやマネジメントの時間を入れても労働時間が短い可能性が高いです。

・売り上げ規模が大きく、管理者が必要なお店

わたし
わたし

 現場で働くだけが飲食店の仕事ではありません。シフトをつくったり、人件費や原価を管理するのも店長の仕事です。

 そういった管理業務は基本的に、店長が現場で働きながら空いている時間に作業します。
 しかし、売り上げが大きくなればなるほど、店長の仕事は現場から離れ、管理をすることに比重が置かれます。
 そういったお店の店長であれば、肉体的な負担は減ります。

・専門的な調理をするお店(料亭、寿司屋など)

 

 わたし
わたし

私が働いていた外食チェーン店には、誰でも調理ができるマニュアルがあり、料理も簡単なものだったので、職人さんは必要ありませんでした。

 お店の調理が単純であればあるほど、職人や調理経験者の価値は下がります。
 一方で、新鮮な食材にこだわる料亭や高級なお寿司屋さんは、新鮮な食材を正しく調理できる技術が必要なため、歳を取っていても職人のような経験者が重宝される傾向にあります。

・高単価な料理を取り扱うお店(高級鉄板焼きや高級レストラン等)

 ファーストフード等の低単価なお店は回転率が大事です。そのため料理を出すスピードや運動量が求められます。

 一方、高級なお店は、回転率よりも一品一品のクオリティを大事に考えます。
 そういったお店ではスピードや運動量よりも調理技術や経験を求められるケースが多くなります。
 つまり、高級店になればなるほど、技術や経験の価値が高くなるということです。

わたし
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 また、お客様の目の前で調理する高級店であれば、若者よりも貫禄のあるベテラン料理人が調理した方がお客様も安心します。

高齢になっても飲食店で働くために必要なスキル

わたし
わたし

 高いスキルや知識を身につけていれば、体力がなくても必要とされます。そのためのスキルをまとめました。

・高級店での経験により、包丁が使えたり魚をさばけたりする専門的なスキル
・数店舗を管理するマネージメント力
・問題解決や売上アップの提案を出来る能力
 それぞれ解説します。

・高級店での経験により、包丁が使えたり魚をさばけたりする専門的なスキル

わたし
わたし

 私自身、長いこと飲食店で働いてきましたが、上手に魚を捌けたり、盛り付けが上手だったりという職人と呼べるような人は、ほとんど見かけませんでした。そういったスキルは希少で貴重だと思いました。

 そういった能力は特に高級店で重宝されるため、ファーストフードのようにスピードや運動量ではなく、技術で勝負ができます。

・数店舗を管理するマネージメント力

 外食チェーン店には、数店舗を管理するマネージャーの役職があります。

 マネージャー職になれば、現場で働く時間が減るので、肉体的な負担が減ります。

わたし
わたし

ただし、飲食店でマネージャーの役職につける人はごく僅かです。

十分な結果を出し、会社に評価される必要があり難易度は高くなります。

・問題解決や売上アップの提案を出来る能力

 飲食業には、SVと呼ばれるスーパーバイザーの仕事があります。

 SVは自社のみならず、フランチャイズの加盟店に向け、提案やアドバイスします。

 マネージャー職同様、限られた人だけがなれる、数少ないポジションです。

 こういったポジションを担える力があれば、年齢関係なく飲食店で働き続けることができます。

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