
飲食店に就職を考えているけど、何歳まで働けるか不安だ…
飲食業は、肉体労働な上に、長時間勤務が多い業種です。
そういった理由から、
・飲食店への就職は将来が心配だ
こういった不安をお持ちの方、多いのではないでしょうか?
この記事では、数々の飲食店で働いて私が見てきた飲食店の現場と、客観的なデータを基に、
・飲食店で定年まで働くためにやっておいた方がいいこと
この2つが分かるように解説していきます。
この記事を書いている私はこんな人です。
15歳マクドナルドのアルバイトを始める。マクドナルドで学生マネージャーを任され、大学卒業までの7年間、複数飲食店のアルバイトを掛け持ちする。大学卒業後、転職を繰り返し、ブラック企業と呼ばれる居酒屋で3年間働く。その間、最高水準の売り上げ伸び率を記録する。現在、35歳。有名飲食店のスーパーバイザーとして勤務中。
目次
飲食店で働く人の年齢
まずは、厚生労働省が出している産業別の労働者の年齢のグラフを見ていきしょう。
2018年のものですが、現在公開されているデータの中では最新で、2021年現在も大きくは変わっていないものと思います。

飲食店は、緑のグラフで表されている「接客・娯楽」に含まれます。
「接客・娯楽」は他業種に比べて、20代前半が多いのが特徴的です。
また、他業種に比べて、高齢者の割合が低いということはありません。
上記は2018年のデータですが、2008年より全体的な高齢者の割合は増えているので、現在は更に高齢化が進んでいることが推測できます。
飲食店の正社員は何歳まで働けるのか

でも飲食店の正社員は、労働時間が長いから、
高齢になると働けないんじゃないかな?
こういった疑問があるのではないでしょうか。
結論から言うと、60歳を過ぎても、飲食店で正社員を続けることは可能です。
実際に、私も外食チェーン店で働く中で、60歳を過ぎた正社員の方を見てきました。
しかし、高齢の正社員の方の割合が高いわけではありません。
飲食店で、高齢になっても正社員を続けられる方は少数です。
(上記のグラフでは正社員でない方の割合が高いのだと思います。)
では次に、何故、飲食店で働く高齢者の方が少数なのか、解説していきます。
外食チェーン店で高齢の正社員が少ない理由
1.労働時間の長さ
飲食店では、ご高齢のパートさんは多くいらっしゃいます。
食堂のような商売では、70歳を過ぎた方も、珍しくありません。
しかし、正社員になると極端に高齢の方が少なくなるのは、やはり労働時間の長さが大きな理由です。
飲食業は、一日に12時間以上の労働も珍しくはありません。
そうなると、やはり年齢を重ねると体力的に厳しくなってきます。
職場にもよりますが、ピークには走り回ることになる飲食店というのも少なくありません。
2.アルバイトに若者が多い
飲食店のアルバイトに、若者が多いのも理由の一つです。
大半のスタッフが学生アルバイトというお店も珍しくありません。
そういった学生とコミュニケーション取りながら営業するのは、歳が離れるにつれ、大変な作業になってきます。
まだ自営業の店主であれば、自分が好きなように指示を出せます。
しかし雇われ社員は、上からの指示であれば、嫌でも学生に伝えなければいけない場面があります。
3.周りの社員が年齢の離れた歳下ばかりになってくる
上記の理由から、歳を取ると飲食店を続ける人は減ってきます。
つまり周りの社員は、どんどん歳下になってきます。
特に、飲食店は20代の正社員が多く働く職場です。
自分の上司が、若くして成功した随分と歳下の上司ということも十分にあり得ます。
そうなると、やはりプライドが邪魔をして働きづらい職場になってしまい、退職していく方がいます。
高齢になって正社員を続けられる飲食店とは
飲食店といっても、居酒屋、小料理屋、レストラン、食堂、カフェ等、色々な業態があります。
その中で、高齢になっても、働きやすい飲食店は、
・売り上げ規模が大きく、管理者が必要なお店
・専門的な調理をするお店(料亭など)
・高単価な料理を取り扱うお店(高級鉄板焼きや高級レストランなど)
こういったポイントを抑えた飲食店になります。
・労働時間が短いお店
歳を取ると飲食店で働きづらくなる最大の理由は労働時間の長さです。
つまり単純に労働時間が短い飲食店であれば、歳を取っても働きやすいといえます。
ランチ営業のみや、夕方の17時からオープンして22時までの営業のお店であれば、仕込み時間を入れても、そう長い労働時間にはなりません。
体力的に余裕が持てる店舗は歳を取ってからおすすめになります。
・売り上げ規模が大きく、管理者が必要なお店
現場で働くだけが、飲食店の仕事ではありません。
シフトをつくったり、人件費や原価を管理する管理者のポジションがあります。
しかし売り上げ規模が小さいお店であれば、管理だけを行う人材を雇う余裕はないので、現場作業と管理業務を兼任することになります。
一方で、売り上げ規模が大きいお店では、管理だけをするというポジションが存在する場合もあります。
そういったポジションであれば、あまり体を動かす必要がないので、年齢は関係ありません。
・専門的な調理をするお店(料亭、寿司屋など)

外食産業のチェーン店の多くが、誰でも調理できるような、システムやマニュアルを持っています。
しかし、新鮮な魚や野菜にこだわる料亭や高級寿司屋では、日々仕入れ内容が変わり、マニュアルだけでは対応できません。
食材を活かして美味しく調理するには、経験や知識が必要です。
また、魚を上手に捌くのにも、技術が必要で、腕のいい経験者が求められます。
そういった職場では、経験が大事なので、歳を取っていてもベテランの料理人が重宝される傾向にあります。
・高単価な料理を取り扱うお店(高級鉄板焼きや高級レストランなど)
ファーストフードやカフェ等、料理の値段が低いお店は、年齢層が低い傾向にあります。
売り上げを上げるには、料理を出すスピードが大事で、運動量が求められるからです。
また、アルバイト従業員の年齢層も低く、歳の近い社員の方が働きやすいということもあります。
一方で、高級食材を取り扱うお店は、高齢のベテラン料理人がいます。
高級店であれば、メインの料理を調理する従業員は、十分な調理経験が求められます。
つまり、スピードや運動量よりも技術が求められるということです。
また、鉄板焼き屋のように調理が見える高級店であれば、若い従業員よりも貫禄のあるベテラン料理人が調理した方が、雰囲気が出ます。
高齢になっても飲食店で働くために必要なスキル
飲食店は長時間の勤務になることが多く、体力勝負です。
その為、若い労働者が重宝される傾向にあります。
しかし、しっかりとしたスキルがあれば、年齢関係なく、飲食店で必要とされます。
・魚を捌いたり、高級料理の経験とスキル
やはり専門的なスキルというのは強いです。
上手に魚を捌けて、職人と呼べるレベルで盛り付けが出来る人は、そう多くありません。
また低単価の商品であれば、そこまでこだわらず、「マニュアル通りにつくるだけ」という場合が多いですが、高級料理はそういうわけにはいきません。
経験のある料理人がつくるから、高級料理としての価値がでます。
そういった魚や高級料理の経験やスキルは、年齢関係なく必要とされます。
・数店舗を管理する力(マネージャー職)
外食チェーン店には、数店舗を管理するマネージャーの役職があります。
マネージャー職になれば、現場で長時間働くケースは減るので、年齢は関係ありません。
ただ、飲食店にこういったポジションは少なく、簡単にはなれません。
人よりも優れた結果を出し、会社に認められる必要があります。
・問題解決や売り上げアップの提案が出来る力(スーパーバイザー)
飲食業には、SVと呼ばれるスーパーバイザーの仕事もあります。
自社のみならず、フランチャイズの加盟店に向け、提案やアドバイスをする仕事です。
こちらも、人より知識が豊富なことは大前提で、問題解決の力や提案力が必要になります。
マネージャー職同様、限られた人だけがなれる、数少ないポジションです。
こういったポジションを担える力があれば、年齢関係なく飲食店に必要とされます。
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